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フォーラムのコメント

大腸鋸歯状病変
In ディスカッション
原田 拓
2022年2月19日
自分に鋸歯状病変の診断と取り扱いは非常に難しいですが、参考までに書かせて頂きます。 以前であれば、10㎜以上の過形成ポリープ(HP)はLarge hyperplastic polyp(LHP)といわれて、癌化のリスクもあるので治療対象とされていたと記憶しております。 今考えると、右側のLHPとれていたものはSSA/Pに該当し、S状結腸や直腸のLHPはTSAの前駆病変として最近報告されたSuSA(Superficially serrated adenoma)になる可能性が高いのかと思います。 もちろん10㎜以上の全ての鋸歯状病変を切除する必要は無いと思いますが、一つの目安になるとは思います。 また、拡大内視鏡で観察できる場合は、HPの表面構造(Ⅱ型pit)に加えて、病変内により腫瘍としての性質が高そうな領域(Ⅲ型~V型)が観察される病変は、腫瘍径によらず積極的に切除の適応となると思います。 少し前までならHPと鑑別すべき腫瘍性病変はSSA/Pだったので右側の病変だけ気をつけておけば大体OKだと思っていたのですが、最近SuSAという概念が提唱されてからは左側のHPでも用心しないといけないと考えるようになりました。自分の知る限りでは、左側のHPとSuSAを明確に判別する内視鏡所見はまだ存在しないと思います。どちらも腫瘍表層はHPにしか見えない構造なので拡大内視鏡では違いが分らないです。なんとなくただのHPにしては大きさや形態が不自然なところがあるとかでSuSAを疑うくらいが現状なのではないかと思います。 鋸歯状病変の世界は、病理診断の基準や概念自体もまだ確定していないところも多く、どんどん知見がup dateされているのが現状なので、それが内視鏡診断や治療方針を難しくしている要因かと思います。
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原田 拓

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